【二章】ファームでスーパーバイザーに歯向かうことは死を意味する。




皆さんこんにちは。前回の記事ではエージェント全否定の記事を書きました。

 

どうやら俺氏が掴んだエージェントは全うなエージェントだったらしく、無事お迎えが来てくれました。無事と言っても、結局そのエージェントもそのファームに行ったこと無いとか実情を知らずに仲介していた感じでしたし、紹介したらしっぱなしでその後のフォローとかそういうのも一切無かったので、胸はって人に勧められるかと言えば微妙ですけどね。

それで、前回の記事でも触れたように、お迎えの人に文句言っちゃった訳です。後から思うと迎えにきてもらったのに文句言うとか人格破綻も甚だしい。しかし、俺が文句を言った後その人物(韓国人男性)は一言も言わずに「Get in the car」とだけ言って、僕らは言われるがままにバッタバタのランドクルーザーに詰め込まれました。

すでに周囲は暗闇。街灯一つない道をただひたすら超高速でランドクルーザーが駆け巡る。携帯電話の電波が一本、二本と減っていき終には圏外。携帯の電波と反比例して加速していく僕らの心の闇。そして夜の山道を駆け抜けること一時間、白い家を発見し、そこに駐車。どうやらここが俺たちの家らしい。

家に到着し、運転手の韓国人男性によって誰もいない部屋に連れて行かれる日本人二人。彼はどうやらここの責任者(スーパーバイザー)らしく、ここでの簡単なルールと、翌日から早速仕事が始まる旨が伝えられると、次は俺の目を睨みつけながらこう言った

「あまりにも雑な仕事や見落としが目立つようならば警告する。一日に警告を二回貰ったらその場で家に帰ってもらう。そして翌日は出勤停止だ。気をつけろよ」

ちなみに、僕がゲットしたファームジョブは、サンダルウッドという木を育てる仕事でした。主な仕事は、畑の雑草を刈り取るチッピング、農薬を撒くスプレー、成長した木にまとわりつくツルを除去するデバイニングの三つ。翌朝6時から、早速仕事です。

 

気合いバッチリです。なお、この服はあまりにも暑すぎて翌日から軽装に切り替えました

さて、人生初めての農作業です。延々と広がるサンダルウッド畑で作業するのは、日本人、韓国人、そして台湾人。日本人エージェントが手配したファームだからある程度アジア色が濃いのは仕方ないとしても、これはそのまんまアジアでした。

チッピングは二人一組でやるのですが、僕のペアーはまだ入って間もない日本人男性。僕と一緒にファームに入った人は、ベテラン級の日本人男性とペアを組んでました。仕事をしていると、ある違和感に気付きます。そう、韓国人スーパーバイザーが俺らのことめっちゃマークしてます

案の定凄まじい怒声で呼びつけられる俺氏達。そして彼はほとんど糸くずのような雑草を指差して「草見落としてんじゃねぇよボケェ!!」と一喝。その後も執拗に続く徹底マーク。それはさながらスラムダンクの湘北対山王における一ノ倉の三井に対するスッポンディフェンスが如くゥ!!!ちょっと待って、何でこんなに俺氏嫌われとるん?

何で…?

 

何でだ?

 

…あ…

 

 

迎えにきてもらった時粗相やらかしたからだ←詳しくは前回のブログにて

 

その時既に彼は俺氏の名前を抹殺リストに記入していたに違いない。こいつはいびり倒してやる、と。後から聞くと俺といつも組んでた日本人の男も、スーパーバイザーから嫌われていたらしい。だから、邪魔者を二人まとめて追い出してやろうというのが、彼の魂胆なのだろう。

 

なんと。

 

勝負は仕事が始まる前から決まっていたのか。

という訳で皆さん。特にファームなんていうのは、働きたい人が多いし特別なスキルを必要としない仕事なのでいくらでも働き手の替えがきく職種ということもあり、スーパーバイザーのさじ加減一つであっさりとファームを追い出されることはかなりよくある話です。

なので、仕事とは関係ないところでスーパーバイザーに喧嘩を売るのは止めましょう。マジでやり辛くなるだけですから。後から聞いた話、彼は気に入らないワーカー達を何人もいびり倒してクビもしくは退職に追い込んでいった鬼○野郎だそうです。

明らかにスタートダッシュでしくじった俺氏ですが、せっかく高い金払って仕事斡旋してもらったし、ここまで来た。たかがこれしきでおめおめとファームを去ってなるものか!

次回、マイナスからのスタートだった俺氏が、まさかのスーパーバイザー候補に躍り出るまでのストーリーをお伝えします。たぶんね。




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